やつめうなぎを食べたあの日|うなぎ屋のたれ

大学院生の頃、北海道の地方のとある村に調査で訪れ、そこで、やつめうなぎを食べました。当時は学生用の宿舎に宿泊して、連日調査をして、研究者仲間たちとごはんを食べてお酒を呑んで眠るだけのお気楽な日々。ある日、晩ご飯を食べた後、暇だったこともあって、友人とちょっと星を観ながら散歩しようと出かけました。宿舎の表に出るとすぐに川の土手が広がっていて、そこに立てば、人家の灯りなどはまったく見えず、満天の星が広がっているのです。そこで、川の中になにやらちらちらと動く光を見つけました。ゆらりゆらりと揺れる光を見ていたら、なんだか怖くなってしまい、友人と悲鳴をあげて宿舎に駆け込みました。次の日、宿舎の職員さんが、私達や地元のヘルパースタッフさんたちを招いて、飲み会を開いてくれました。そこで出てきたのが、うなぎ。いや、地元のおじさんはうなぎと言うけれど、それはやつめうなぎでした。甘辛く味付けをしたやつめうなぎ、それはとても美味で、お酒にもよく合う味でした。どんどん食え、とおじさん達が言ってくれるので、それはそれは沢山食べさせてもらいました。お酒もまわってきて、私と友人は地元のおじさんに聞いてみたのです。昨日、川でアヤシイ光を観たのだけれど…と何か知りませんか、と。するとおじさんは、「なんも。それは俺らだ。やつめ採ってたんだ。」とのこと。あっけに取られつつ、話を聞くと、夜の川でライトを照らしながら、やつめうなぎを採っていたのだということがわかりました。なあんだ、と友人たちと大笑い。ところで、やつめうなぎはとても美味しかったのですが、図鑑で調べてみると、ちょっと不気味な生き物だということも最近知りました。うなぎとは全く異なる生き物で、8つの目があるように見えるのだとか。やつめうなぎについて、知らないことが沢山あるものです。


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