うなぎ屋さんやスーパーのうなぎ売り場でよく見かけるカンバンの書体があります。あの、うなぎのうの字が、ニョロリとうねるうなぎの絵になっているものです。あれはなかなかよく考えられた広告のカタチだなあと思います。誰が見ても納得感のある形をしていて、うなぎを売っていることがひと目でわかります。頭の中でイメージするうなぎは、確かにあんな感じでうねっている気がするほどで、その形をうの字にあてはめるとは、よく思いついたものだと思います。
カンバンなどの目で見る広告というものは、そういった第一印象というか、ひと目見たときのインパクトが非常に大事だと思われます。特にスーパーの売り場のような、見てすぐその場で買ってもらおうとするものの場合は、パッと見てわかりやすく、食べものであれば美味しそうだ、お金を払ってでも食べてみたいと思わせる効果を求められるでしょう。食材や料理の写真を添えて食欲を刺激することももちろん有効ですが、それを文字のみでやるのはすごいことです。うなぎのカンバンを見たあとは、自分でうの字を書いていても頭の中にはうなぎがくねり出すような気がします。書いている字がうなぎに見えます。
工夫された文字のインパクトはそれほどに強烈なものだと実感します。よく、うなぎ屋さんは商品そのものだけでなく匂いで商売するという話を耳にします。店先に漂う香ばしい匂いだけでもお客がよべるという意味だと思います。嗅覚に直接訴えかける匂いの威力も絶大なものですが、後々まで記憶に残る視覚的な面白さも興味深いですね。